看護 実践の博士!? DNPについて考える
日本にも新しく看護の博士号が出来るということなので、DNPについて考えてみようと思う。
DNPって?
DNP(Doctor of Nursing Practice)とは、アメリカで生まれた看護の博士号。
日本でも聖路加国際大学がDNP課程を開設している。これで、看護の博士号の選択肢が広まることになる。
アメリカの看護専門資格について
アメリカには看護の専門資格として、
NP : Nurse Practitioner
独立した資格であり他職種と連携して実践する。
患者を診察し、必要な検査のオーダーと解釈、ケアや薬物処方も行う。
CNS : Clinical Nurse Specialist
教育や質改善など、患者・看護師・システムに働きかけることを主軸にしている。
診断や治療、健康増進、予防活動などの実践も行う。
CRNA : Certified Registered Nurse Anesthetist(麻酔看護師)
麻酔を施し、術前・中・後の麻酔関連ケアを行う。
CNM Certified Nurse Midwife (助産師)
婦人科、産科ケアを行う。
上記4つの専門資格をまとめて高度実践看護師
以下の表記がある。
APRN : Advanced Practice Registered Nurse
APN : Advanced Practice Nurse
なぜDNPが生まれたか
米国では、医師や歯科医師、薬剤師、理学療法士などでは、実践分野での博士号取得が進んでいる。しかし、診療や処方などの業務を担当するAPNは、修士の学位でありながら、他職種でいうところの博士レベルの実践をしていたという状況があった。
そこで、研究に主軸を置いた博士号であるPhDに加え、臨床実践をメインにした博士号であるDNPが新設された。
もちろん理由は他にもある。医師などと同じテーブルで意見を交換し、協働するためには高いレベルでの教育が必要ということや、医療・看護分野の大きな流れてとして、根拠に基づいた看護の実践が高いレベルで求められるようになったという背景も影響しているだろうか。
現在、看護の博士号にはPhDとDNPの2種類があり、研究に主軸を置いたPhDに対し、DNPは実践の博士と言えるだろう。
DNPの魅力
看護は実践の学問であり、実践無くしては語ることができない。研究者を養成するPhD課程では、高度な看護実践までカバーすることは困難である。そのような学問背景を生かした博士号なのではないだろうかと思う。
何かと不景気なご時世、専門資格の幅が増えることは、看護職の魅力をアピールすることに繋がることを願う。