Fw:とある男性看護師の備忘録

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考える看護は楽しい。日々の疑問や学びを書き留めていこうと思います。

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抗酸化作用?:何かと話題の【水素】の可能性

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健康アイテムとしての水素

 水素水や水素サプリ?など悪玉活性酸素がどうなって、アンチエイジング効果が!などを耳にする。がんにも効果があるような広告を出している企業もあるとかないとかまだまだ未知の部分も多い領域だと思うので、本当にそういった効果があればいいが。

 健康ブーム?もあってか、芸能人も使ってますよ!なんて言われると気になっちゃうし、ジムなんかでは入会時にヶ月無料で飲めます!みたいなのもあり、健康にいいならやってみるかと気づいたらお金を使っていたりする。

 水素水に関しては、201612月には国民生活センターが水素水の商品テストを実施し、表示より水素濃度が低かったとか、20173月には消費者庁が水素水を販売する3社に措置命令を出したとか。ダイエット効果や炎症の抑制などを広告で謳うには根拠が薄いってことみたい。

 

 前振り長くなりましたが、今回は健康のための水素水の話!ではなく、患者さんに水素ガスを吸引させたらいいんじゃないかという報告をみつけたので、簡単にまとめてみたいと思う。 

 

水素ガスの安全性

 水素と聞くと、中学校の実験を思いだす。マグネシウムと塩酸を混ぜ合わせて、発生した気体を水上置換法でガラス管に集める。ガラス管にマッチを近づけると、引火してポンッと爆発が起きる。そうだ。水素は爆発して水と酸素を作るんだった。

 ここで疑問が生じる。医療用に水素ガスを使用するとして、安全なのか?爆発するんじゃない?答えとしてはその通りで、爆発する可能性がある。どうやら水素ガスが4%以上の気体に点火すると爆発するようだ。水素の効果を最大限に引き出すためには2%程度の濃度が必要であり、爆発までそう遠くない。

 酸素や圧縮空気とブレンドして送気するにしても、患者がうまく吸ってくれなかったりすると一部では水素濃度が濃くなってなんかの拍子に爆発なんてことも無くはない。その辺のモニタリングや調整も必要になるだろう。NOの吸引のようにできるのだろうか?

 

医療用ガスとしての水素ガスの可能性

 過剰な酸素吸引が有害だという話は結構有名ではないだろうか。酸素毒性とかいうやつだ。酸素が代謝される過程で活性酸素というものが生じるらしい。活性酸素にはいくつか種類があり、普段は細胞を保護しているが、増えすぎると細胞にダメージを与えてしまうということだ。ひとくくりに活性酸素と言っても、良い奴と悪い奴がいる。人間みたいなものか。

 活性酸素のうち、細胞にとって悪いことをしている活性酸素の働きを、水素によって抑制できるという報告が2007年に日本人によって発表された。ここから大水素時代の始まりだ。水素ブームに火を付けたのは日本人だったとは。爆発するぞ。

 ということで、次回は、実際に研究の中身をみていこうと思う。